北海道にある活火山 地図
北海道にある活火山を地図にプロットしてみました。北海道は日本でも火山が多い地域です。
その活火山を数えると20山ありますが、今、活動を控えている山も入れると、もっと多い数になります。例えば、地元の然別火山群を見てみると、1~2万年前までは活動していたようで、長い地球の歴史で考えればちょっと前の出来事です。そのため、活火山でなければ安全とは考えない方が良いでしょう。
北海道の活火山の中でも特に活発で身近な山は、十勝岳、有珠山、樽前山、駒ヶ岳でしょう。これらの山は活動が活発なだけでなく、人の生活に大きな影響を及ぼします。これらの山についての情報は、見落とさないようにしましょう。
十勝岳

十勝岳は、大雪山国立公園にある、十勝岳連峰の主峰です。特徴としては、北海道では高峰に該当する、標高2,077mの山だと言うことです。これは、他の活動が活発な火山と比べると高さが抜きんでており、冬の積雪も多いです。そのため、噴火が起こると雪を溶かして泥流が発生し、麓を襲います。大正時代には多くの人命が失われました。
今は麓に砂防ダムが多く作られており、万が一の噴火に備えています。また、十勝岳の麓にある白金温泉でも、噴火の際に逃げる避難施設が用意されています。
十勝岳は、日本百名山にも選ばれているため登山者が多い山です。しかしながら、いつ噴火してもおかしくない活火山ですから、気象庁のホームページで状況を確認してから登るようにすると良いでしょう。
有珠山

有珠山は、ここ50年くらいで見ると、北海道で最も活発な火山でしょう。投稿時点で北海道に住む人には、噴火の記憶が最も鮮明にあると思います。1977年と2000年の噴火は、テレビでも大きく報道されました。
有珠山は噴火の予知ができる山として知られ、2000年の噴火では見事に予知が成功し、人的被害なしで済みました。噴火口近くにある建物が噴石で破壊されている映像を見て、人的被害なしは奇跡のようでした。しかしながら、このような予知ができる山は非常に少なく、有珠山でも完全に予知できるわけではないと思います。油断は禁物です。
火山噴火で恐ろしい有珠山ですが、その恩恵も大きく、温泉、湖をもたらし、その荒々しい山体もロープウェイで楽しめるようになっています。火山との共生が大事であると言うことでしょう。
樽前山

樽前山は、支笏湖の南側にある火山です。その山容には特徴があり、山頂に溶岩ドームがあります。この溶岩ドームは1909年の噴火でできたものですが、今も噴気活動が活発で、立ち入りが禁止されています。そのため、登山では東側にある外輪山の東山を頂上としています。
樽前山には7合目まで車で行くことができて、山小屋もあります。また札幌からも近く、ちょっとした登山を楽しみたい時に絶好の山です。しかしながら、活発な火山であることを忘れずに、注意情報がないか確認の上、登ると良いでしょう。
駒ヶ岳

駒ヶ岳は、鋭い山頂部と穏やかな鞍部が広がる、特徴的な形をした火山です。これは、過去に起きた大噴火によるものです。1640年に駒ヶ岳は山体崩壊を伴う大噴火を起こし、大沼、小沼を誕生させました。その後もたびたび噴火を起こし、今に至ります。
近年はどちらかというとおとなしめな感じがしますが、周囲に海がありますから、山体崩壊でなだれが海に到達すると津波が発生します。過去の噴火でも、津波で大きな人的被害が出ています。そして、現代で津波が起これば、大被害が再び起こるでしょう。しかも、北海道の交通の要所にありますから、鉄道、高速道路などのインフラに大被害が及ぶと考えられます。
駒ヶ岳は、その位置が大きな懸念材料です。場所的に迂回ルートが難しい場所なので、噴火が起こらないことを祈らずにはいられません。
火山との共存が大事

恐ろしい被害を及ぼす活火山ですが、北海道の観光や農業、漁業においても欠かせない存在です。これらがなければ、北海道の豊かな大地はなかったでしょう。そして、観光地に温泉は必須とも言うべき条件であり、火山のおかげで温泉天国が成り立っています。
そのため、これからも火山との共存が大事でしょう。常に噴火に備えながら、その恩恵を享受していきましょう。